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もともとハイデルベルグ大学の民俗学者のご主人のベルさんと共に1977年来日。途中、日本は物価が高くてインド、ヒマラヤ地方へ、そこで一年。ところが冬に入って下山のチャンスを逃してしまい逗留を余儀なくされる。貧しい人々と暮らしを共にしながら暮らす。しかしながらちょうど‘ダライ・ラマ’がアメリカから帰還して町が歓迎の儀式一色となり、貴重な体験をした。それから、又、日本に逆戻りし鎌倉に住む。ご主人のベルさんは横浜国立大学でドイツ語を教え、自身は翻訳業を営む。仏教美術に関心がありドイツ語の著作も出した。禅宗から「達磨大師」に興味を持ち、‘達磨ミュージアム’まで造ってしまった。 日本語はご夫妻ともに堪能で日常会話には困らないから‘極楽庵’に宿泊する日本人のお客様を接待出来る。ご主人とはドイツ語。猫とは日本語のバイリンガル。日本語は俳句から学んだ。外国語には「切り語(や・かな・けり)」というものがなく、漢字も多様で覚えきれない。そこで、朝から晩までラジオ放送を流して耳から習得した。「慣れるのが一番です。」 鎌倉から岡山の今の住居(極楽庵)に移り住んだのは約十年前。北は東北、南は九州まで車で全国を探訪し、友人の備前焼の窯元の近くを安住の地にした。名前の由来は鎌倉に住んでいた時、極楽寺の近くだったことから。寺でもないし、店でもないので、庵にしようということになった。ところどころに木の板に‘極楽庵’の文字を彫って掲げている。文字はインターネットから拝借してそれをなぞった。これは、大工仕事も料理も器用で多才なベルさんの仕事。 ![]() ‘極楽庵’は標高450mの山中にあり、周囲は年寄りばかりの閑村。近くには日本の棚田名選の一つにも選ばれた大垪和西の棚田があり、五分ほど山を登れば雲海がひろがる墨絵の宇宙。心の宇宙にも大きな変化が。「ここに来るようになってから一茶の俳句がとてもよく分かるようなりました。」 自然との共生・共存。人間も自然の一部であって、蜂や蝶や虫たちと何ら変わらない。「芭蕉の『古池や蛙飛び込む水の音』の句は、こちらに来たら一匹ではなく何匹も飛び込みます。日本語には複数、単数がありませんから、何故、一匹なんだという疑問が残りました。」 「世界季語のデータベースを作っていますが、英語やドイツ語での俳句を試みています。日本語のように奥行きが深くないので、表現に限度はありますが、外国人は自我意識がとても大きくて、自然はごく一部。鎌倉でもこちらでも多くの句会から誘われていますが、ちょっと組織に入るのは苦手。歌の心は不自由であってはいけません。」 日本社会に融け込むというのか、進取の行動力が奏したというのか、家の山上に産業廃棄物処理場施設の建築施工が始まり、ダイオキシンの問題が世間にまだ騒がれていない頃だったが、環境汚染を調べてデータ数値で明確にし、運動を起こして中止させた。「外人は関係ないだろうとか、いろいろ言われました。けれど、私たちは部外者ではなく同じ里の住人同士として、汚染された農作物は商品価値が無くなり、生命が脅かされ生活も財産も破壊されるのだということを分かってもらいたかったのです。」 「運動していて知ったのは、日本各地で外国人が問題提起し、解決に導いていることを発見したこと、これは驚きでした。」環境に敏感なドイツ人の気質だろうか。自然の恩恵に甘えてきた日本人、集落のしがらみでどうしようもない因縁事、それらを軽々と乗り越えられるのが彼らなのだろう。 二匹の猫と夫ベルさんとの暮らし。「私はもともと予防医学の医者です。父親も医者でした。両親は既に他界して夫と日本に住むことに抵抗はありませんでした。夫は今の体重よりも30kgもオーバーしていて糖尿病と診断されました。私自身、更年期障害でやる気を無くしていた時期もありました。」アピセラピストでもある。アピとはラテン語で‘蜜蜂’のこと。蜂蜜、花粉、プロポリス、ローヤルゼリー、ハチ毒などの医学効果を綜合した自然療法をアピセラピーと呼ぶ。代替医療として欧米では民間療法として長い歴史と伝統がある。 花粉荷(BEE POLLEN)は特にお勧め。花粉の粒はそのまま食べるよりも、ヨーグルトや蜂蜜に溶かすと消化が良くなる。これでベルさんの体重は半年で30kg減量出来、ガビさんは黒五(黒胡麻、黒米、黒カリン、黒豆や黒松実)と蜂蜜を混ぜて健康食にしている。毎朝、食することで更年期障害とやらも消えた。 蜂の生態も興味深い。「彼らは花粉を体に着けて巣に持って帰り、分泌物で蜂蜜を作り、特に丈夫な幼虫を選んで特別にロイヤルゼリーを与えます。それが大きくなって女王蜂になり毎日約1500~2000個の卵を産み続けることができます。彼らのコロニーはすべて雌。場所も定期的に移動します。コロニー間の情報も活発で、蜂同士が会話をしているのではないかと思われる光景に出会うこともしばしばありますよ。」 「だるま蔵・資料館」「句会」「ヨガ、気功の元気塾の健康道場」「ホームステイ」など活動の幅は広い‘極楽庵’へは冬以外は営業中です。筆者は台風14号襲来前にお泊りいたしました。テレビも何もない。曼荼羅の迷路とインターネット・カフェと猫とドイツ料理のおもてなし。そして、薪で焚く野天風呂、満天の星が降ります。 極楽庵 岡山県久米郡三咲町和田北1215 gokuraku AT po DOT harenet DOT ne DOT jp だるま資料館 世界季語データベース 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 ご参考に 曼荼羅セラピー 曼荼羅の迷路、歩くラビリント (日本語は最後にある) by senior_tb | 2005-09-11 14:59 | シニア・ライフ
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